朝日新聞の記者だった鮫島氏の著書。
amebaTVで出演していた氏を見て、確か朝日新聞出身者で、新聞社の内実を書いた人だった。その本は結構、話題になったよな。と数珠つなぎのようにつながった。
ちょっと、記憶が確かなら、読んでみよう。すぐにアマゾンで検索し、取り寄せた。
福島第一原発の「吉田調書」問題の当事者である氏。その現場で起こっていた朝日新聞社内の上層部と現場の様相。そして、政治部を中心とした新聞社内の権力闘争。などなど
ドロドロしいほどに、新聞社の中枢の様子が描かれている。
鮫島氏は朝日新聞社内では、優秀ではあるが、非常に扱いにくい人物であったのだろうと予想される。ただ、組織には、そのような人間も必要だ。ある目標を構成員が共有し、しかし組織は多様が人材がいて、その中で軋轢や対立があるにせよ、熱く意見を戦わせることで、活性化する。また、今の変化が激しい経済情勢の中で、上司の言うことを、そのままやるだけの人間は今の変化のある社会では必要とされない。
私のいた放送局にも、朝日新聞出身の人間がいた。私の直接の上司であった人は、昼から寝ているような人間だった。彼も、新聞社時代は活躍したのだろう、けれど、その役目を剥奪され、福岡の放送局でやったこともない営業の責任者に据えられた。私は彼に敵意を剥き出しだったから、嫌われたが、今考えると、可哀想な人間だったと思える。
何はともあれ、久しぶりのノンフィクション。あまりに面白くて、寝る前、起きた後、読み続けた。