「科学的勉強法」安川康介著(読後録)

代表の独り言

さまざまな勉強法に関する本は読んできたのですが、アマゾンのブックレヴューで高評価だったので、取り寄せて読んでみました。

書いていることは、目からうろこといった感じではありませんでしたが、私が今まで知っていたことは間違いではなかったということを、裏付けしてくれる内容でした。

ただ、この本は教科書や参考書の内容がある程度わかるという前提条件で書かれているのです。つまり、文章を読んでもわからない、教科書を読んでも内容がわからない子の勉強法ではないのです。

前にも書きましたが、現在の教育の問題は、文章の意味内容を理解できない子が多くいるのです。これを解決しなくては、日本の教育の根本的な改善にはつながらないのです。

なのにです、高校入試の問題は難易度が一気にあがり、センター試験も難易度が一気に上がっています。日本の受験制度は、基礎学力より情報処理力重視の傾向が変わらないのです。

高校入試の国語の文章を一度読んでみてください。

文章が教科書で扱わないような、文化論、哲学、建築な抽象的な文章が出題され、今の公教育でどこまで対応できているのか疑問です。小説も歴史小説が出題され、正直、中学生に解かせるのか、いや、基礎学力を見る高校入試という目的から大きく逸脱しているとしか思えません。

ヤマゼミでは、抽象的な文章に慣れてもらうために、新聞のコラムの書き写しを行っています。いまでは、文章の60字要約を加え、700字程度の文章で、書き手の主張を把握する訓練を時間をかけて行っています。

このヤマゼミでのトレーニングの上に、この本の勉強法が役立つのではないかと考えています。