これからの時代、目的のない大学進学は意味がないのでは?

代表の独り言

今から30数年前、私の田舎では大学に進学することに大きな意義がありました。大学に行きさえすれば、未来が開かれる。そんな幻想が実際にあったのです。大学進学率の低い地域で、それが国公立大学への進学となると、それなりのステータスがあったのです。

しかし、今は違います。大学のあり方も変わりました。子どもたちにはこう言います。 「大学に進学するなら、それなりの目的を持ちなさい。しっかり勉強をしなさい。そして、スキルをしっかり身につけなさい。」

よく、文学部などは全く役に立たないと言う人がいます。ある人は、理系は社会の役に立つけれど、文系は役に立たないと言います。 それは安直な考えだと思います。

文系や理系という枠組みがおかしいのであって、今は文理融合の時代です。文学部であれば、文学的なセンスや教養は様々な分野で必要ですし、そこで学んだ研究方法や思考過程は他の分野でも活かせるはずです。数理と文学のコラボレーションなども面白いかもしれません。

ただ、大学をむやみやたらに設立し、基礎的な教養もないまま進学させるのはどうかと思っています。国の予算は限られていますし、また、大学という最高学府の価値も低下するのではないかと危惧します。

国の根幹をなすのは教育です。国が教育に予算をかけることは必要です。しかし、今のような大学の乱立はなくし、高度な教育を基礎的な教養を持った学生にこそ教えることで、大学の意義があると考えます。

大学の教育は厳しくていいのです。学問を極めるのなら、それなりの厳しさは必要です。目的意識のある学生ならば、その厳しい教育に耐えられるはずです。その過程を乗り越えてこそ、大学に進学した意味があると考えます。