デフレの正体(読書録)

代表の独り言

日本総合研究所 調査部主席研究員の藻谷浩介氏の著作「デフレの正体」を読了。景気後退の原因は「人口減少の波」というのが氏の結論。資料を駆使し、氏の論を述べています。

景気後退の真の原因は「高齢者の激増と生産年齢人口の減少」。富裕層の高齢者が資産を使わず、若年者への資産の移転ができていない。好景気と言われる中でも、内需縮小は避けられない。また、企業は退職者の増加に対して、新卒者の採用を抑え、人件費を減らすという方向へ向かった。また、地方衰退というが、実際は首都圏も同じようにじり貧で、経済の面では日本全体は人口動態の変化の影響を受けているというものでした。

個人的なことで、生命保険会社の方とお話をさせていただいたのですが、「財産のある高齢者の方は、資産はあるけれど将来が心配で『資産を使えない。資産を使い切れない。』とおっしゃるとのこと。

富裕な高齢者の方に安心して資産を使ってもらい、それが若年者の所得向上につながるようにする政策が必要かもしれません。