以前勤めていた小倉北区の塾で、塾長から、こう言われたことがあります。
成績の良い生徒を集め、難関校に合格させる。それを看板に多くの生徒を集める。小倉以外の生徒は収入を増やすための駒だ。
この業界はこれが普通の塾の考え方でした。今でもそうだと思います。この時、私が受けたショックは今でも忘れられません。私も塾業界に染まった人間ですから、その後は洗脳されて、小倉をはじめとする難関校の数字を伸ばすことにすべてをかけていたといっても過言ではありません。
しかし、ここ数年、指導や保護者対応をして思うことは、この日本の教育の問題点は、中間層のボリュームが小さくなっていることではないかと気づいたのです。社会を担う層は中間層です。学校の成績分布を見ても、その層が明らかに少なくなっています。
そのことに気づいてから、ヤマゼミは低学力層も受け入れるようになりました。正直、私が成績を伸ばす力を発揮できるのは、中間層から上の層です。今までもその層はよく伸ばしてきたと自負しています。
しかし、今後の社会を考える上で、低学力層を60点取れるようにすることが必要です。そのために、私のキャリアとは異なった指導法を編み出す必要があります。
いま、新聞のコラムの60字要約、書き写しを毎回行っています。国語の読解力、語彙力はすべての教科の基本です。このような基礎、基本を大切にした指導で、学力の向上を図ってゆきます。
決して、子供は大人の駒ではありません。