小学生が苦手とするのが、割合を線分図で表し、考え方をしっかり身につけさせられるかどうかが、鍵になります。先日体験授業をおこなった生徒も、割合が苦手でした。計算ができることは前提なのですが、抽象的な概念が理解できるかどうかは、それまでの国語の力が大きく影響しています。ざっくり言うと、国語の力がある生徒は、抽象的な概念が理解しやすいのです。ただ、国語の力(読解力)をつけるというのは並大抵のことではありません。それまでのさまざまな環境が大きく影響しているのです。私もその課題に何年も取り組んでいます。その一つの答えが、新聞のコラムの解説と書き写しです。社会の現在の課題や視点を短くまとめたのが新聞のコラムです。コラム比較的読みやすいのですが、それでも難しい漢字が出てきます。私は子供に読ませる、もしくは私が一度読んで、その内容についての私が説明をしたり、子供とディスカッションをしたりします。そして書き写しをさせます(授業時間の関係もあって全部はできません。のこりは宿題です。)
良い文章は「そして」、「だから」といった接続詞を使っていません。実力テストの作文を採点すると、接続詞の多用で、しまりのない、論理がちぐはぐな文章になっている場合があります。キレのある文章を書くには、新聞のコラムのような文章を真似るのがよいと考えています。じつは、このコラムの勉強は、国語は他の科目へよい影響をもたらします。例えば、中3では公民を勉強します。その内容はコラムの内容と重なります。推薦入試の作文も600〜800字です。推薦入試の作文の練習にもなります。さらに、算数や理科といった抽象的な概念を学ぶ上でも、高度な語彙力は理解を助けます。この取組みは昨年から試行的にやっていましたが、一定の効果が見られました。今年から本格導入です。国語の力がつくには、非常に時間がかかります。この取組みは、すぐに効果が出る生徒、1年以上かかる生徒といろいろいるとは思います。しかし、この取組は学力の核となり、のちに様々は能力の土台となると確信しています。