独ソ戦 大木毅著〈読書録〉

代表の独り言

第二次世界大戦におけるドイツのソ連侵攻と、その戦いを時系列で整理したものである。

この本の中で、私の心を捉えた言葉がある。

「世界観戦争」 「絶滅戦争」

これは、ヒトラーが戦争を始める際に抱いていた思想を端的に示す言葉だ。 彼はゲルマン民族の優越性を掲げ、他民族を支配しようとした。そして、社会主義国家であるソ連は「絶滅すべき敵」とみなされた。

この構図は、現在のロシアのプーチン大統領にも重なる部分がある。 ソ連は第二次世界大戦でナチズムを多大な犠牲を払って打ち破った国家であり、ドイツとの戦いを「大祖国戦争」と呼ぶ。

つまり、特定の理想を掲げ、その理想の実現を戦争の目的とする という発想である。

私はそこに、「やっかいさ」を感じた。

では、日本はどうなのか。 気づかぬうちに、社会に淀んだ空気が広がり、その空気に包まれてはいないか。 その空気は、あたかも“良識”のような顔をして、私たちを覆い隠す。

トランプは打算的で、利益になるかどうかが判断基準となる。 しかし、プーチンやヒトラーは「思想の世界」で生きている。 その思想が国民に広がり、社会に特定の空気が満ちたとき、凄惨な戦いが始まる。

私は今、その「社会の空気」の怖さを強く感じている。