長年教科に掲載されている国語の教材とて「握手」(井上ひさし)があります。その中に、主人公のルロイ神父が、親に捨てられた児童養護施設の子どもたちの食事をする様子を見て、うれしそうにしている場面があります。毎年、教材を読んでいます。若いころは考査の範囲の内容としか見ていませんでした。しかし、年をとるにつれ、神父の、子供たちを見るあたたかいまなざしが目に浮かぶようになりました。
私は毎日の通勤で、家の前にある小学校や貫小の側を通り、通勤します。通勤するのは昼頃。その時間は子供たちが校庭で、元気に遊んでいるのです。その姿を見て、うれしくなります。勉強はいいから、とにかくみんな元気で、楽しい日々を送ってくれよ、と思います。
子供たちの笑顔は、地域の宝なのです。
私の田舎は、数年前に小学校・中学校は統廃合され、私の母校は一挙になくなりました。地域から子供の声や笑顔がなくなりました。過疎化の進む地域で、学校の統廃合はしかたがないことなのでしょう。けれど、子供の声が聞こえなくなり、地域の活気がまたたくまに無くなっていった気がします。
まだ、この地域には多くの子供がいます。その声、笑顔がいつまでも続くように、願ってやみません。