もし、フランスに学習塾があったなら

代表の独り言

学習塾は、東アジアに特に深く根付いた文化だと言われます。欧米にも家庭教師や補習の仕組みはありますが、日本のように集団で学ぶ塾が社会の隅々にまで定着している国は多くありません。

いま、フランスで高校生による大規模な抗議運動が起きています。教員不足や過密学級など、教育環境の改善を訴える高校生が全国で校舎を封鎖し、一部は暴徒化して多数の逮捕者が出ていると報じられています。ネットでは、社会格差や移民の問題など、さまざまな意見が出ています。しかし、千校を超える高校を巻き込むほどの規模になった以上、一部の問題ではなく、国全体の教育のあり方が問われているのだと思います。

イギリスでも、以前、教員が待遇改善を求めてストライキを行いました。他の国の事情は詳しく知りませんが、東ヨーロッパのある国の方と話したときには、教師は給与こそ高くないものの社会的なステータスがあり、なりたい人が多いと聞きました。同じヨーロッパでも、国によって状況は大きく異なるのでしょう。

この報道を見て、私は、フランスに日本のような学習塾があったらどうだろう、と考えました。現在の日本では、学習塾は明らかに学校を補う役割を担っています。かつては中学生向けが中心でしたが、今では小学生から高校生まで対象が広がりました。日本において、学習塾は社会に受け入れられた存在なのです。

実はフランスにも、個別指導の需要はあります。家庭教師の費用には半額の税額控除があり、大手の学習支援企業も育っています。ただ、その控除は家庭での指導に限られ、教室での指導は対象外です。フランスは、塾のような「学びの場」ではなく、家庭への個別の支援を選んだとも言えます。

もしフランスに、日本のような学習塾があったら、どうなるでしょうか。学校と学習塾が両立する社会になり得るのでしょうか。それとも、それはあり得ないことなのでしょうか。