ひとりの商人〜私の履歴書〜 岡藤正広著

代表の独り言

日本経済新聞の人気コラム 「私の履歴書」。

あるYou tubeの対談で、伊藤忠商事を退職した方が、岡藤会長の凄さについて語っており、どんな人物なのだろうと興味が湧いた。それて、取り寄せたのがこの本である。

東大卒だから、良い家庭の出身なのかなと思ったが、そうでもない。実家は野菜の行商。そして、父親は酒の溺れ、母は例に漏れず、貧乏な中で必死に子供二人を育てた。氏の母への深い愛情を感じる文章であった。

伊藤忠商事は、総合商社といえども、万年4位。財閥系の三菱、住友、三井と比べれば、一流半と言われていた。その会社を、財閥系に引けを取らぬ利益にまで引き上げたのが岡藤氏である。中興の祖とも呼ばれる氏の生き様、泥臭い生き様を、読みやすいタッチで書いている。

とにかく、負けず嫌い、そして、人に恵まれている。今まで引き立ててくれた人々への感謝の気持ちを何度も何度も書いている。素晴らしい人との出会いは本当に宝だ。