「人間は、十年一生懸命やって一歩成長する」

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月刊誌「致知」から、

「人間は、十年一生懸命やって一歩成長する」

タイパ(タイムパフォーマンス)やコスパ(コストパフォーマンス)が重視される現代では、「そんなことを言っていたら時代に乗り遅れてしまう」と言われるかもしれません。時代には合わない考え方かもしれません。

しかし、塾講師として三十年以上仕事に取り組む中で、この言葉の重みを実感しています。

子どもたちに「わからない」と言われると、正直落ち込むこともあります。同時に、どこがわからないのかを把握し、次の授業までに改善しなければと強く思います。子どもは一人ひとり物事の捉え方が異なるため、一つの教え方や授業方法がすべての子に通用するわけではありません。

しかし、その「わからない」という声こそが、講師自身の技術向上につながるのです。教える側は、この言葉を大切にしなければなりません。これは営業やサービス業における、顧客の声は、売上向上に不可欠な貴重な情報であることと同じです。

「人間の成長は、十年一生懸命やって一歩進む」という言葉の通り、私の場合も約10年ごとに大きな壁が立ちはだかりました。その壁は厳しく、乗り越えようともがき、努力し、学び、そして次のステップへと進んできた、という感覚です。

現在、私は英語の授業改善に取り組んでいます。特に発音指導やリスニング指導の改善に力を入れています。高校入試や大学入試ではリスニングの配点が高いのですが、問題文が読まれるスピードは速く、内容も複雑です。短期間のトレーニングで聞き取れるようになるものではありません。以前から当塾では、教科書の音読指導を徹底して行っており、シャドーイングやオーバーラッピングも実践いましたが、今後は英語独特の音のつながりまで聞き取れるような指導をさらに強化していきます。

若い頃は、年を取れば教え方も上手くなり、もっと楽になるだろうと考えていました。

しかし、実際は全くそんなことはありません。

年齢を重ねるごとに、むしろ「修行」が厳しくなるのを日々実感しています